スマホにパソコン、テレビと何かと画面を覗くことが多い日々ですが……
そんな日常から少しだけ離れて、万華鏡の世界を覗いてみませんか?
今回は、そんな万華鏡の世界をさまざまな視点から楽しめる「流山万華鏡ギャラリー&ミュージアム」の魅力を紹介していきたいと思います。
流山万華鏡ギャラリー&ミュージアムとは?

流山万華鏡ギャラリー&ミュージアムは、流鉄流山線流山駅から徒歩約5分の流山本町通りにあるミュージアムです。
築130年を超える国登録有形文化財「寺田園旧店舗」を改築しており、土蔵造りの貴重な建物の中で万華鏡の世界を楽しむことができます。
ところで、なぜ流山に万華鏡なのでしょうか?
実は流山には、世界でも活躍する万華鏡作家「中里保子さん」の万華鏡工房があるのです。
そのため、ミュージアムでは中里さんをはじめ、国内外の多くの万華鏡作家の作品を展示・販売しています。
展示作品は定期的に入れ替わり、時期によって様々な作品を楽しむことができます。
特に、今年は開館15周年ということもあり、様々なイベントが企画されているそうです。
公式HPやSNSなどで情報発信しておりますので、ぜひチェックしてみて下さいね!
万華鏡の始まりを知っていますか?

万華鏡とは、もともとスコットランドの物理学者デヴィット・ブリュースターが灯台の光をより遠くまで届かせるために鏡を組み合わせたのが始まりです。
その後アメリカに伝わり、1800年代中頃にはガラスアンプルに液体とオブジェクトを入れたものが誕生し、アメリカやイギリスでは玩具として人々に広まっていきました。
日本には1819年に伝わり、明治時代にはその美しさから「錦眼鏡」や「百色眼鏡」などと呼ばれ、流行しました。
こうして玩具として親しまれてきた万華鏡ですが、アメリカのコージー・ベーカーを中心に万華鏡の芸術的価値が評価され始め、1985年に世界で初めての万華鏡展が開催されました。
これを機に万華鏡の魅力が世界中に広まり、今では多くの方がその姿に魅了されています。
そして、その万華鏡に魅了された作家のひとりである中里保子さんは、1998年から万華鏡の制作を始め、2000年には日本万華鏡大賞展ヴィジュアル賞など多数受賞しました。
さらに、2005年にはUSA「Kaleidoscope Reflections」公募展入選、その2年後にはUSA Brewster Kaleidoscope Societyコンベンションにて最優秀作品賞受賞するなど、世界でも評価される万華鏡作家となったのです。
そんな中里さんの作品を実際に見ることができるのがこのミュージアムなのです。
万華鏡作家中里さんの作品を独り占め⁉

ミュージアムでは、世界でも活躍する中里さんの作品を実際に覗いて鑑賞することができます。
私が想像していた万華鏡とは異なり、まるでオブジェのよう……

コルクやガラス管を詰めた繊細なものから、アンモナイトの化石をボディにした大胆なものまで、その外観の美しさにも見惚れてしまいます。
また、どの作品にもモチーフとなったものや作品制作の背景の説明があり、初心者の方でも楽しめます。

そして、万華鏡の上から内側を覗いてみると……
外側の世界を忘れてしまうほど素敵な世界を見ることができます。
この時間だけは、中里さんの作品を独り占め!
多くの人が眺める絵画や彫刻とは異なり、1人しか覗くことのできない万華鏡は、どこか特別な自分だけの時間を作り出してくれます。

さらに、つまみを回すことによって中のオブジェクトが回転し、様々な模様を楽しむことができます。
また、中にモーターが内蔵されている作品もあり、一定のリズムでゆっくりと移り変わる景色に夢中になってしまいました。
様々な作品を見れば見るほど気になるのが、その仕組みです。
ミュージアムでは、万華鏡の仕組みについても知ることができる展示が多く、私も実際に万華鏡の反射の仕組みを体験してみることにしました。
万華鏡の仕組みを体験してみよう!

机に置かれた、3つの筒。実はこれ、内側が鏡になっており、万華鏡の内側の仕組みを簡略化したものです。
同じ三角形でも、鏡を合わせる角度や面の違いで見え方が変わるということで、実際に展示されているモールの塊を覗いてみることにしました。

このモールの塊が……

テーパードミラーシステムは、先が少しずつ細くなっている三角形の筒になっています。
中を覗くと、より対象物の立体感を楽しむことができました。
真っ暗な宇宙からまるで地球をのぞいているような不思議な感覚!
輪郭がすこしふんわりして見えるので本当に惑星を見ているようでした。

二等辺三角形の2ミラーシステムでは、二等辺三角形になるように鏡を合わせ、下の底辺は黒い厚紙になっています。
覗いてみると、手で持っている三角形の上側に円が広がるように見え、下の黒い面が余白を引き立て、シックな印象に!
暗闇に浮かび上がるキラキラとしたオブジェクトを楽しむことができ、まるで奥深くに宝物を見つけたようなワクワク感がありました。

最後に試したのは、正三角形の3ミラーシステムです。3面にミラーがあり、同じ大きさの3片を組み合わせてできています。
この形は玩具でもよく使われる構造とのこと!
実際に覗いてみると……
全面が万華鏡のキラキラの世界。視界に広がる宝石箱の中のような景色に、夢中になって筒を回してしまいました。
鏡の合わせ方や角度によってこんなにも見え方が違うなんて驚きです。
こちらのスペースは他にも、自分が万華鏡の中に入ることのできる展示など体験できるものも多く、お子様も実際に触って楽しむことができます。

また、オブジェクトは筒に閉じ込められる物だけではありません。
展示の奥にある天体望遠鏡のようなこれも実は万華鏡!
こちらは、外の景色を万華鏡として楽しむことができる作品で、スタッフの方に窓を開けてもらうと外のお庭の景色を万華鏡を通して楽しむことができます。万華鏡自体を動かすこともできますが、風が吹いたり、車が通ったりすると映り方が変わって面白いのも他にはない特徴です。
江戸時代の趣を感じる建物を楽しもう!

あまりに万華鏡が美しく、手元ばかりに目が入ってしまっていましたが……
あたりを見回すと、漆喰の壁に立派な梁。忘れてはいけませんね!
ここは、築130年を超える寺田園旧店舗なのです。
ここからは、寺田園茶舗の面影が残る建物や備品についてもご紹介いたします。

建物を外側から見てみると、現存する建造物の中でも珍しい黒漆喰の壁が印象的です。
もともと本建造物は、1階は店舗(茶屋)、2階は住居として使われていたようです。

また、お茶や乾物を量り売りしていた頃の商売道具も至る所に置かれており、宝探しのようです!
茶屋として使われていた当時の絵も飾ってありますので、見比べてみるのも楽しそうですね。
歴史的な建物の中で、万華鏡に向き合う時間。
スマホを見ているだけでは感じられない時間がそこにはありました。皆さんも万華鏡の世界に迷い込んでみませんか?
流山万華鏡ギャラリー&ミュージアム
住所:千葉県流山市流山2丁目101-1
アクセス:
電車をご利用の場合
流鉄流山線「流山駅」から徒歩約5分
・JR武蔵野線、つくばエクスプレス 「南流山」駅より
【南流02】 流山おおたかの森駅西口行、「流山市役所入口」下車 徒歩7分
・東武野田線(東武アーバンパークライン)「流山おおたかの森」駅より
【南流02】 南流山駅行、「流山市役所入口」下車 徒歩7分
TEL:04-7190-5100
営業時間:10:00-17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始